危ない菌は熱さに強い!!
近年の夏の気温は40度越が当たり前になってきましたね。
30度超すだけでも暑いと思っていたのに、今や30度はまだましだと考えてしまいます、、、。
一般的な微生物は、25度~35度位で繁殖しやすくなります。
クーラーの温度を25~28度位に設定しているご家庭は多いと思いますが、
私たちと同様、微生物も同じ位の気温が快適だと感じています。
そして、夏になると人は「夏だー!夏が来たー!!」とアクティブになるように、微生物も温かいと活発になります。
特にカビや、酵母などがそうです。
夏場のお風呂場はこまめに掃除をしておかないとすぐにカビが繁殖してしまいますよね。
そして、人間にも温度に限界があるように、たいていの微生物にも限界があり、約60度以上になると死滅してしまいます。
なぜかというと、微生物が栄養として備えているタンパク質が熱変性することで、生き続けることが困難になるからです。
ですから、一般的なカビであれば、60度のお湯をかければ死滅するということになります。
殺菌するために、「火を加えて熱処理する」というのは、さりげなく行っている家庭もあるのではないでしょうか。
水は一旦沸騰させてから飲んだり、食料品は火を通してから食べたり。
勿論、そのひと手間で食料に付着していたほとんどの微生物は滅しています。
しかし、残念なことに100%殺菌できるかというと、そういうわけにはいかないこともあるのです、、、。
さらに、熱さに耐える菌は人間の体に有害なものなのです。
なぜ死滅しないの?~ボツリヌス菌~
加熱処理では死なないたくましい主なその菌の正体は「ボツリヌス菌」。
これは、人の食中毒を起こす原因の菌なのです!
暑いところが得意なだけあって、7月~10月頃に発生することが多く、お弁当は特に注意が必要です。
また、ボツリヌス菌も同じく熱処理では死滅せず、人々に食中毒をもたらす強敵です。
過去に熊本で起きた辛子レンコン中毒事件をご存知でしょうか。
加熱処理をして空気に触れることの無い真空状態で販売されていたのにも関わらず、このボツリヌス菌が繁殖し、食中毒を引き起こしてしまった事件です。
真空状態だったのに、なぜボツリヌス菌が繁殖してしまったのでしょうか?
ボツリヌス菌は、土の中や河川に芽胞状態といった殻に閉じこもったようにひっそりといる為、熱い温度や水分がない状態でも耐えることができるのです。
そして、嫌気性菌と呼ばれる空気のない所で繁殖をし始めるのです。
ですので、空気に触れにくい真空パックやレトルト食品、缶詰などは絶好の繁殖場となってしまうのです。
世界で最も恐れられている毒素を持つともいわれています。。
食中毒のリスクを下げる為に
他にも熱さに強い菌は他にも存在します。
「黄色ブドウ球菌」もよく耳にする名前だと思いますが、この菌も厄介者。
実は、私たちの皮膚に住む皮膚常在菌なのですが、
食べ物に付着した時、「エンテロトキシン」と呼ばれる毒素を作り出すのです。
このエンテロトキシンが熱に強く、食中毒を引き起こすのです。
その他にも、穀物食品や豆類から発見されることが多い「セレウス菌」や、
ボツリヌス菌同様、芽胞状態だと通常の熱処理が効かない「ウェルシュ菌」などもあります。
これらの菌はひそかに生き伸びる術を身につけているのです。
怖くなるようなお話をしてきましたが、私たちも生き延びる術を身につけることは少なからずあります。
まず、「調理する前に手をよく洗う!」「食べる前に食材を良く洗う!」ことの他、
「腸内フローラを整えること」も大切です!
有害な菌が体内に侵入してきても、乳酸菌によって繁殖を抑える効果があります。
健康な人ほど食中毒になりにくいのです!
因みに、溶岩などの熱さになってくると、微生物は発見されていないようです。
溶岩で熱処理しない限り、完全に死滅させることは不可能なようですね。