キノコは一体何者?!

食べ物にまつわる微生物

キノコとは一体何者!?


今回は“キノコ”についてお話します。

近年「菌活」と言葉が作られたように、「菌で健康になろう!」という人が増えていますよね。

実はキノコは、カビと同じ種類の菌類に属していますが、人にはとても気にいられています。

私たちが普段食べている部位を、「子実体」と言います。

ご存知の通り、キノコは種から生えるのではなく「胞子」からできていて、子実体はいわゆる菌の塊でできているのです。

“菌糸”と呼ばれる器官を使って枯れ木や落ち葉などから栄養を吸い上げて育ちます。

殆どは菌糸が落ち葉や土の中に広がっていて、子実体が作られるのは雨などの刺激がないと作られません。

菌糸としての活動が長い為、カビの一種として見られているのです。

植物と違って、キノコは葉緑素を持っていません。

植物は光合成をして成長を繰り返しますが、キノコは光合成ができない代わりに、土や枯れ木、木の根っこから栄養を吸収して成長しています。

ですから、キノコは光の当たらないような所でも生えることができるのです。

湿ったところが好きで、光が当たらないところに潜む性質はカビと同じです。

キノコの栄養源

キノコの育ち方は栄養源によって主に3タイプあります。
養分をどこから吸収するかによって分類されます。

1つ目は「木材腐朽菌」
これは、枯れ木に寄生して養分を吸収するタイプです。
枯れ木に養分がある限り、育つことができますが、養分がなくなると枯れ木はボロボロになり、やがて土に還ります。
とても簡単な方法な為、人工栽培が可能です。
シイタケ、ナメコ、マイタケなどがあります。

2つ目は「腐生菌」
これは、先ほどの枯れ木に対して落ち葉や、枯れ草から養分を吸収しています。
落ち葉は繰り返し落ちてくるものですから、何年と時を経て養分を吸収することが可能です。
その分、大きなキノコが出来上がることが多いのが特徴です。
マッシュルーム、キヌガサタケなどがあります。
腐生菌のおかげで落ち葉を分解し、森をキレイにしてくれています。

3つ目は「菌根菌」
枯れている木や葉を栄養源としているタイプに対して、これは生きている樹木に寄生しています。
菌根菌は主にリンやカリウム、水分などを植物へ供給し、植物は光合成によってできた糖分などの光合成産物を供給しています。
すごいことに、お互いが共存できるように養分を交換し、助け合っているのです。
松茸やトリュフがその仲間です。

松茸はなぜ高価!?

スーパーに行くと、他のキノコに比べて松茸はびっくりするお値段がついていることがあります。
なぜこんなにも松茸は高級食材となるのでしょうか?

先ほどご紹介した通り、木材腐朽菌はシイタケやナメコ、マイタケなど人工栽培ができます。

それに比べて菌根菌は人工栽培ができず、生きた樹木でないと成長できません。

樹齢25~30年程の若い赤松に多く、“サイトカイニン”と呼ばれるホルモンを赤松にあげる代わりに、糖分をもらって子実体を作っています。

植物と共存し育つため、人工栽培はかなり難しく高価になるのです。

世界三大珍味のひとつトリュフが高価な理由も同じです。

さらにトリュフの場合は土の中に埋もれていることが多い為、見つけるのに一苦労なのです。

ちなみにトリュフを見つける際は、メスの豚を使って探し当てる方法があります。

それは、オスの豚が放つフェロモンの匂いがトリュフの匂いと似ていることから、メスの豚が探し当ててくれるのです。

キノコが人にもたらす役割

キノコは食物繊維、ビタミンB群、カリウムやオルニチンを含んでいる為、美容や健康にとても打ってつけの食品です。

また、善玉菌を育て、腸内環境を整えることで免疫力も高めてくれます。
アレルギーの抑制にも効果がある超スーパーフードなのです。

地球にも人間にも優れた食品こそ、「キノコ」といえます。

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