土は細菌が作った!?
「土」って、どこから生まれたのでしょう?
今回は、「土」の中に潜む微生物についてお話したいと思います。
空気中にも無数の微生物が浮遊しているわけですが、土の中はもっとすごいのです!
空気中は比重が軽い、もしくは粒子状の細菌が多くなりますが、土の中は様々です。
やはり最も多く含まれるのは細菌類ですが、真菌や原生動物も多く含まれています。
畑の土たった1グラム当たりでさえ約3億以上の細菌が存在します。
畑1面となると、もう数えられません。笑
もはや土は微生物が作り出しているといっても良いかもしれません。
ではどのようにして微生物が土を作り上げたのでしょうか?
数十億年前、地球は殆ど岩で覆われていました。その表面に細菌が付着し、岩に含まれる無機物を壊しました。
また、川などからの水分を使って岩を崩していきました。
そして、酵母・カビなどの真菌が無機物から有機物を作り出し、土が出来上がったのです。
そこに今や数える気にならない程の微生物の子孫達が潜んでいるのです。
それぞれのポジション
土の中に多種多様の微生物が住んでいるわけですが、それぞれの特徴に合わせて住むポジションが変わってきます。
例えば、土の上の方には酸素が近くにありますから、「好気性菌」と呼ばれる空気が大好きな菌がいます。
その中でも枯れ葉などの木材の成分を好む「白色腐朽菌」、植物繊維を分解する「黒色腐朽菌」などが存在しています。
土の下の方と言うと、酸素がなかなか届かない場所になり、「嫌気性菌」と呼ばれる酸素を特に必要としない菌が多くなります。
大腸菌はその仲間です。
「クロストリジウム属菌」も嫌気性菌の仲間ですが、この菌はとても強い菌で、南極の土からも発見されたそうです。
腐敗菌の賢い生命力~クロストリジウム属~
クロストリジウム属とは、食中毒の原因にもなるボツリヌス菌や、ウェルシュ菌などの腐敗菌が属しています。
このクロストリジウム属は、とても賢い生き方をしています。
例えば、クロストリジウム属は100度のお湯に耐えることができます。
それは、「芽胞」という状態でバリアをしているからです。
環境が悪い状態のときに、この「芽胞」状態によってしのいでいます。
そして適した環境になると、芽胞が「発芽」し、分裂を始めるのです。
南極で耐えられる程すごく、様々なところで発見されています。
世界の砂漠や標高の高い山からも発見されていますし、赤ちゃんの腸内からも発見されています。
どこにいても順応できる性質。人間にも備えて欲しいですね。笑