微生物はヒトの暮らしに関わる大きな存在!
普段、私たちはしていることがあります。
朝起きたら、顔を洗います。
家に帰ると手を洗い、体をキレイにするためにお風呂に入ります。
寝る前には歯を磨いて1日を終えます。
なにげなく行っているこれらの行動は、すべて微生物が大きく関わっています。
日々手や体・歯までもを洗っているのは、悪い菌やウィルスの侵入を防ぐためにしていることです。
ですが毎日行っていても風邪をひくこともあります。
数日寝ていれば、たいていのものであれば治りますよね。
これも、元々体に住み着いている微生物の働きによって守られているのです。
微生物は家の中にも外にも、人の皮膚や体の中にも、
今吸っている空気の中にも存在しています。
私たちは微生物達と一緒に暮らしているのです。
微生物とは?
「微生物」というと、小学生の頃、理科の授業で顕微鏡を使ったときに使うイメージですが、そもそも微生物とは何なのでしょう?
簡単に言えば、微生物とは、肉眼では見えない程のかなり小さな生物の総称です。
大きいものから順に、「原生動物」「藻類(そうるい)」「真菌」「細菌」「ウィルス」に分けられています。
「原生動物」とは、これといった定義はありませんが、一般的に単細胞が動物的な生物で動物・植物・菌類に属さない生物のことを呼びます。
理科の授業のときに見た「アメーバ」や「ミドリムシ」、「原虫」や「寄生虫」が挙げられます。
「藻類」とは、光合成をすることが特徴で、コケ植物・シダ植物・種子植物以外のものを呼びます。
微生物のくくりで言えば「ミカヅキモ」「アオミドロ」が挙げられます。
実はワカメや昆布・海苔も藻類ではありますが、目で確認できるため、微生物=藻類とは限りません。
「真菌」は、カビ・酵母・キノコ類のことです。
「目で見えるものでは?」と思いますが、これらは一つ一つの細胞が増殖した集合体を見ているのです。
麹やチーズ・パンなどの食品を作るためにも欠かせない存在です。
「細菌」と「ウィルス」は真菌のようにどちらも目に見えない為、似たようなイメージをもたれるのではないでしょうか?
ですがこの二つはそれぞれ大きな特徴があります。
細菌とウィルスの違いとは?
まず、「細菌」はひとつの細胞からなります。
大きさは、およそ1マイクロメートル。
中学校にある理科の顕微鏡でギリギリ見ることができるレベルです。
ケガをした時やO157の時は細菌が関係しています。
「大腸菌」「ピロリ菌」「ブドウ球菌」など悪いイメージをもたれがちですが、
必ずしも体に悪いものばかりではありません。
納豆を作り出す「納豆菌」や食酢である「酢酸菌」、
腸内環境を整えてくれる「乳酸菌」は人の体にとって良い効果をもたらしてくれる細菌も存在するのです。
細菌とウィルスの最大の特徴として、増殖方法が大きく異なります。
細菌はそれぞれ栄養と適切な温度の条件さえあれば誰の手も借りることなく増やすことができるのです。
例えば食べ物を長時間放置しておくと腐りますよね。
それは細菌が食べ物の糖分を栄養にしていることで増殖した結果、腐敗を招いているのです。
一方、「ウィルス」はタンパク質膜で覆われた核だけがあり、細胞壁・細胞膜をもたないのが最大の特徴です。
自身の細胞が無い代わりに、誰かの生きた細胞を借りて増殖するのです。
誰かの細胞に潜り込んだウィルスは、コピーを作り出し次の細胞へと感染させていきます。
寄生した細胞の種類によって、植物ウィルス、動物ウィルス、細菌ウィルスに分類されます。
細菌の数十分の1程度の大きさで、さすがに電子顕微鏡でないと見ることができません。
インフルエンザやノロウィルスが知られていますが、日本脳炎や狂犬病もウィルスが原因で起こります。
因みに抗生物質の薬は、細菌には効果がありますが、ウィルスには効かないのです・・・。
だからこそ人は体に付着した細菌やウィルスから守る為に、手を洗ったり歯を磨いて清潔さを保つことが日常化されたのでしょう。
細菌とウィルスは小さな見た目でも、人にとって大きい影響力を持つ存在なのです。