蚊が引き起こす感染症~ハマダラ蚊の恐ろしさ~

地球上に潜む微生物

マラリア感染症

「マラリア」という病名を聞いたことがあるでしょうか?

マラリア感染症とは、アフリカなどの熱帯・亜熱帯地域で感染が広がり、恐れられている伝染病です。

イタリア語で「痛い」を意味する「mal」と「空気」を意味する「aria」が語源の感染症です。

マラリアは、「マラリア原虫」という寄生虫に感染することで起こる感染症です。

マラリア原虫は、微生物の中で最も大きい部類に入ります。

マラリアには、三日熱・四日熱・卵形熱・熱帯熱の4種類あります。

それぞれ潜伏期間が異なったり症状や重症度も異なりますが、1~4週間の潜伏期間を持ちます。

マラリア原虫が侵入した血液中の赤血球を破壊し、熱発作を起こしますが、それには周期がありマラリアの種類によって異なります。

発熱や寒気、頭痛や嘔吐を引き起こしますが、その中で最も重症化しやすいと言われているのが熱帯熱です。

早急な処置をしないと重症化しやすく、重度な貧血や多臓器不全を引き起こして死亡する人が多いのです。

これらはどこから感染するのでしょうか?

その感染経路は主に、「マハダラ蚊」という“蚊”なのです。

ハマダラ蚊はなぜ恐ろしい?

蚊自体、温かい季節に飛ぶ生物な為、地球温暖化によって世界中に拡散する恐れがあります。

この蚊がなぜマラリア感染症を引き起こすのでしょうか。

そもそも蚊は、メスだけが卵を作るためのタンパク源を探して人の血を吸います。

血を吸う時には蚊の唾液を介しています。

日本でも蚊に刺された時、ぷくっと膨れてのちにかゆくなりますよね。

あれは蚊の唾液に含まれた、血液を凝固させないための成分と麻酔成分がアレルギー反応を起こしています。

麻酔成分が切れると人はかゆみを感じるのです。

ハマダラ蚊も同じように血を吸っているわけですが、

腸に「マラリア原虫」を隠し持っているマハダラ蚊に刺されることで、人はマラリアに感染してしまうのです。

蚊というのは1ヶ所と言わず数ヶ所刺してくる可能性がありますから、その分感染率は高くなります。

とはいってもハマダラ蚊の寿命は約1~2週間程度。

ハマダラ蚊の特徴としては、驚くことに、蚊特有の「ブ~~~ン。」という音を立てません!
飛んでいるのか分かりづらいところも皆を困らせています。

日本にも実はハマダラ蚊の一種がいるようですが、マラリア原虫を持っているものは今のところ確認されていないようです。

米国フロリダで蚊の大実験!?

ハマダラ蚊のように、蚊を介して感染症を引き起こす事例は多くあります。

米国フロリダ州では感染症を防ぐための手段として、厖大な実験が行われています。

7億5千万匹の遺伝子操作をした蚊を毎週に分けて放ち、感染経路である「ネッタイシマカ」という蚊を駆除するというものです。

ネッタイシマカはデング熱や黄熱、ジカ熱といった病気の媒介をしています。

実験に使われた蚊は、幼虫の段階でメスだけ生まれ、すぐ死ぬように操作されているのですが、こういった実験は他の国でも行われています。

またこれからどのようなリスクがあるのかもわからない実験ですから、地域住民からは反対の声が多いようです。

先程のハマダラ蚊に対しても、研究は行われています。

ハマダラ蚊の遺伝子にマラリア原虫の抗体を作る操作研究をしたのです。

すると、ハマダラ蚊の子孫に99%遺伝したというのです。

この遺伝子操作されたハマダラ蚊が広がれば、マラリア原虫に寄生したハマダラ蚊が減り、人への感染リスクを下げることができます。

但し、遺伝子操作された生き物は将来、どんな影響を及ぼすのかはわかりません。

空港で病原体をシャットアウトする検疫官

空港は見ての通り、それぞれの国の人々が行き交う玄関です。

同時に、病原体がタダで行き交ってしまう場でもあります。

病原体を寄せ付けない為に、日本の検疫官たちが行っていることがあります。

到着し終えた飛行機の中を隅々まで網を振り回すのです。

これは、病原体の蚊を1匹残らず確保する為なのだそうです。

こういった細かなところから、空港は日本の安全を守ってくれていたのです!

簡単に海外へ往来できる今、日本は島国だからといって、安全とは限りません。

これらのような病原体が日本に存在してもおかしくないのです。

海外旅行で熱帯地域に行く方は、くれぐれも虫よけスプレーの他、露出を控えるなどして十分に気を付けましょう。

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