空気中は無数の微生物が!
私たちにとって欠かせない空気。
今、あなたの前にある空気には、数えきれないほどの微生物が空気と共に浮遊しています。
どれだけ潔癖の人でアルコール除菌をしていても、無菌にすることは不可能なのです。
院内感染というのをまれにニュースで見ますが、どんなに消毒に力を入れている病院でも、空気中に潜む菌をゼロにすることは不可能であり、感染を確実に防ぐことも難しいのです。
空気と共に浮遊しているということは、微生物の中でも粒子状か、比重が軽い微生物だということですね。
私たちは本当に安心できる空気を吸えているのでしょうか?
空中に潜む微生物は安全!?
毎日吸っている空気だからと言って、全てが安全な細菌しかいないと思っていては危険です。
例えば「緑膿菌」というのは、浮遊している細菌のひとつですが、血液に入り込んでしまうと髄膜炎を引き起こす危険性があります。
また、カビやカンジダなどの酵母、またインフルエンザなどのウィルスなども、目には見えなくとも浮遊しているのです。
逆に、人間にとってプラスな微生物も浮遊しています。
例えば「納豆菌」。その名の通り、納豆を作るのに欠かせない菌ですが、空気中に納豆菌が含まれていることは驚きです。
また同じように、「麹菌」も空気に含まれています。
微生物の量が多い場所はどこ!?
ビルやタクシーの多い都会の空気と、山や川の自然が多い田舎の空気では、気持ちよさが違います。
では、微生物の量が多い空気と、少ない空気というのはあるのでしょうか?
これを調べた研究所があります。
寒天で作った培地をあらゆる場所へ一定時間放置し、落ちてきた微生物を培養してから数えたのです。
その結果、最も微生物の数が多かったのは、映画館などの“劇場”だったのです!
原因を考えてみれば納得です。
劇場は、沢山の見ず知らずの人が集まり、誰かが1度咳をしただけで大量の細菌が放出されています。
例えば誰かが知らずにインフルエンザの菌を持っていて、1度だけ咳き込んだとしたら、それだけで感染する恐れもあります。
遠くにいたとしても、浮遊する力で、かなりの飛距離を持っているのです。
映画館などの不特定多数の場に居合わせる場合は、マスクなど常備しておいたほうがよさそうですね。
因みに、その次に微生物が多かったところは、地下街。
一般住宅もその次ですが、リビングには皮膚垢が特に多かったそうです。
最も少なかったのは、外洋の船上だったそうです。その次は、農村の戸外だそう。
これからわかることは、比較的光の入らない、室内に多く微生物が多いということですね。
外にいる微生物は、たいてい太陽などの紫外線によって殺菌されているからなのです。
紫外線ばかり気にせず、たまには太陽にあたることも大切かもしれませんね。